【チャレンジ君冒険記】
”国内史上最長260kmのアドベンチャーレースに密着!④”
(スタートから60時間〜72時間編)
“迫る制限時間!ゴールに到達するチームは?”
レース開始から60時間が経過、4日目の朝3:00ころ
ロングトレイル突破すると、このアシスタントポイント(AP8 CP20)に!
4日目の朝、レースはまだ続く!
このグリーンピア津南(AP8 CP20)は、
最後のマウンテンバイクに移行するポイント。
このポイントを出発しなければならない関門は6:00!
あと3時間しかない。
そしてここからは、
きっと選手が来たとしても休憩はほとんどしない予想。
食事などエネルギー補給だけして出発するだろう。
残すは4つのチェックポイント、
それぞれ関門としての制限時間も迫って来ている。
最終回、
果たして完全完走チームはいるのか!
すでにリタイヤした選手もさらに前を目指す!
こちらはCP18で雪が降り始め、リタイヤしたNo.4「とれとれ登竜門」
女性が2名入っているチームです。
ここからか次のポイントで再スタートの検討中。
とにかく前に進み、どうゴールを踏むかを考えている。
どのチームもなるべくゴールまで自分の足で行こうとする、
素晴らしい精神力です!
そして3:50、ついにトップチームが戻って来た!
苗場山山頂での猛吹雪を抜け、
2日連続で山頂通過が夜中となるトレッキングをしてきた選手たち。
トップチームは3:00ころチェックポイントCP19を通過、
やっとの想いで、3:50ころアシスタントポイントに帰って来た!
相当な時間トレッキングをしている!
考えてみれば、、、
前日僕らが見送った沢渡りのポイントが3日目14:30、
時間にして約14時間ぶりのアシスタントポイントとなった!
トップの実力派チーム「ちょめちょめくらぶ」!
雪の山頂を突破して来た!
レースは最終段階に近づく!
この場所の出発関門は6:00。
休んでいる暇はない。
そして、
この先最後のアシスタントポイントAP9 CP22の出発関門は9:00。
マウンテンバイクで走って向かうが、
このトップのチームですら、すでにあと約4時間あまりしかない。
このグリーンピア津南(AP8 CP20)は、
最後のマウンテンバイクに移行するポイント。
もうゴールは近い。
やはり休憩はほとんどしない。
食事などエネルギー補給だけして出発する選手たち。
残り4つのチェックポイント、
関門としての制限時間も、刻一刻と迫って来ている。
時刻は4:47、
まだ1チームしか帰ってきていない。
僕ら取材陣は逆走してのトレッキング撮影の可能性を探るため、
選手の動向をアドベンチャーレーサーの田中陽樹さんに確認。
すでにトップチームはマウンテンバイクに移行しているが、
夜のマウンテンバイクは撮影は困難。
雪山をトレッキングで抜けて来る後続のチームの撮影のために、
逆走を決定!
車で行ける範囲まで行ってみる事に。
そして少し走ると、
ヘッドライトが見えた!
時刻は5:24、
現在2位の「ちゃりんこCherry」と、3位の「Exceed a Dream」だ!
2チームは関門の時間を間近に、
なんと、走ってきた!
そのまま2チームは一瞬で通り過ぎ、
6:00が出発関門の先ほどのアシスタントポイントAP8CP20へ向かう!
撮影のため僕らはさらに逆走する!
するとスキー場の中腹、遠くから光が!
時刻は5:33
最年長チームNo.9「デザートローズ」だ!
彼らも猛吹雪を耐え抜いた強者。
さきほど通過した「ちゃりんこCherry」と「Exceed a Dream」の2チームと、
吹雪の中を励まし合いながら歩いて来た。
第一声は「雪がすごかった!」
このチームは途中から3人でレースを続けて来た。
他のチームよりも心細かったはず。
しかし熟練した判断とさすがの対応が光っていた。
僕ら取材陣もこれでアシスタントポイントに戻る。
するとちょうど、、
3位到着のはずのExceed a Dreamが出発!
このポイントに1分差で到着した2位のチームをここで追い越して出発!
しかし、女性の選手が遅れていた。
すかさずフォローに!
ロープで牽引する。
このチームワーク!
そこへ、
さっき逆走してスキー場中腹で出会ったデザートローズがアシスタントポイントに到着!
長い長いトレッキングから帰って来た!
仲間が出迎える!
ほっとする瞬間。
過酷だったトレッキング、表情が物語る。
強い精神力を持つ選手だが、
さすがの雪に「生きててよかった〜」と。
ついに戻って来た。
全身かなり濡れている。
この装備で真夜中の猛吹雪を越えて来ている。
手を見せてもらった。
「薄手の手袋で行ってしまったので本当に寒かった」と。
その手はパンパンにむくんでいた。
やっと日光が少しだけ現れる。
約15時間ぶりの温かい飲み物。
この瞬間の笑顔。
見ているこっちも心が温まる。
さて、レースは3チームの争いに。
【グリーンピア津南(AP8 CP20)通過時間】
1位 ちょめちょめくらぶ 到着03:52:00 出発 04:20:40
2位 ちゃりんこCherry 到着 05:32:11 出発 05:58:10
3位 Exceed a Dream 到着 05:33:23 出発 05:56:30
この後のチームは残念ながら制限時間に。
そして少し遅れて、
2位到着の「ちゃりんこCherry」が暫定3位で6:00の関門ぎりぎりで出発!
まだ余裕がある!
このパワーはいったいどこから湧いてくるのだろう、、、
さぁ、残すは3チームがまだ完全完走制限時間内!
次のアシスタントポイントまでは車で50kmの回り道!急げ!
選手が出発後、
いよいよ最終のアシスタントポイントAP9CP22に先回り。
しかし車だとこんなに大回りしなければならない。
車で約1時間の道のり、
アシスタントさんたちも疲れている、
慎重に移動する。
そして、かぐらスキー場の和田小屋に向かう!
かぐらスキー場の入り口から、
上方の最終アシスタントポイント”和田小屋前”を目指し山道を走っていると、
先ほど検討しマウンテンバイクのレグを飛ばし、
最後のトレッキングルートでゴールを目指す、
「とれとれ東龍門」とすれ違う!
4人は疲れも見せず、元気にゴールへ向かった!
最終アシスタントポイントAP9CP22に到着!
現在位置の立て札。
このチーム「UNITE-X」も、CP18の赤倉山途中で雪のためリタイヤ、
この最終トレッキングから自力でゴールを目指す。
リタイヤと言っても、ルートはしっかり確認。
鮮やかな紅葉が、選手のもう一踏ん張りを後押しする。
時刻は8:30、レース開始から64時間、
僕ら取材陣は最後のデッドヒート中の3チームを撮影するため、
最終アシスタントポイントからルートを逆走開始!
逆走の始めは走りやすい舗装路。
スキー場関係者が走れるように整備されているのだろう。
舗装路が終わり、古い橋にさしかかった。
この赤い手すりが印象的。
雨でぬかるんだ泥道、タイヤのあとはまだ一つもない。
やはりまだ1チームもこのルートを通っていないはず。
ほぼ小走りで、ほんとに”逆走”しているので、
暑くなり、調整。
確実に選手は、この先から向かって来ているはず!
しかし、、、、無情にも時刻は9:00を回る、、、
最終の出発関門の制限時間を越えてしまった!
ここで完全完走チームは無しとなる!
しかし、
そんなことで選手がゴールへ向かうのを諦める訳が無い!
さらに逆走!
また降り出す雨、
雨とともに一気に気温が下がる。
ところどころにこのような崩落が!
きれいな滝。
癒される。
靴ひもを直す。
時刻は10:00、
僕らもすでに約1時間半は逆走している、、、
どう考えてもおかしい、、
選手はマウンテンバイク、、、
さすがにもうすれ違ってもいいはず、
そう言えば、さっき崩落現場があった!
もしかしたら、
崩落に巻き込まれて、、、
もしかしたら、
もっととんでもない崩落現場があって、
マウンテンバイクに一切乗れないとか、、、
できれば後者であってほしい!
さらに逆走を決意、進む。
すると遠くから!!
「ニーマニオンズECU」だ!
このチームはこの前のセクションでリタイヤしていたが、
この直前のアシスタントポイント、マウンテンバイクから、
1位のちょめちょめくらぶの3分後に再スタートしていた!
なので、
そのちょめちょめくらぶよりも先にくることが可能だったチーム。
果たして、トップ集団のあの3チームは!?
話しによると、
「やはりすごい崩落で相当手こずったが突破できた、後ろにチームはいた!」
ということ。
あのトップ3チームは、まだこの先にいるはず。
「ニーマニオンズECU」に激励の言葉をかけ、
さらに逆に進む事に!
選手を見送り、先を急ぐ!
また崩落だ!
景色が開けた。
向こう側の道が見える!
ん?
バイク?
オフロードバイクが落ちている!
この崩落に巻き込まれたのだろうか、、、
崩落現場には、
さきほどのニーマニオンズECUが通ったタイヤの跡が残されていた。
向こう側の道も崩落が重なっている。
ここは見通しが良い、
選手が来るのがわかりやすいのでこの周辺で待機してみることに!
もう少し進むと。
かなり広範囲で崩れている。
マップでも確認できた沢。
改めて、位置的に6~7kmは逆走して入って来ていることがわかった。
目の前も崩落。
泥はとても柔らかい。
見える範囲だけでも何ヶ所も崩落。
長い雨の影響が伺える。
時刻は12:00、
逆走開始から3時間、レース開始から69時間が経過。
レースも残り3時間。
選手を待ってもこない、、、
これはおそらく突破できずに引き返したのでは?
12:30まで待った。
このままでは15:00のゴールポイントに間に合わない!
急いで逆走での撮影を諦め、車に戻り、
ゴールポイントに行って見る事に!
最後に振り返る、、、
やはりこない、、、
さぁ、逆走したのは3時間、
かなり入ってきてしまった!
完走するチームの写真を撮れるだろうか、、、
走って車へ!
途中奇跡的に携帯の電波が入った!
GPSトラッキングを見ると、やはり1チームは引き返していた!
しかし、
実はNo.2ちょめちょめくらぶ、4分差でNo.
時間はかかったが、
このマウンテンバイクのこのレグを着実に進み突破して来ていた!
その最終のアシスタントポイントCP22/
15:00ころ、レース開始から72時間。
ここで時間いっぱいに、レースの幕が閉じる
トップチーム検討むなしくも、
そのマウンテンバイクが終わった時点でレース終了となった。
自力での完全完走チームのないレース、
悪天候がかなり影響していると思われる。
時刻は少し戻って14:00、レース開始から71時間、
なんとか車に戻り、ゴールへ向かう、その瞬間を!
ニーマニオンズECUのゴールに間に合った!
偶然にも太陽が顔を出す!
最高の笑顔!!
今回の全体指揮を執っていた 田中正人さんとも、今回の感動を分かち合う。
もう1チームが来た!
運営スタッフみんなが迎える!
ゼッケンNo.8「Cro-magnons WEST」
ゴール!
この達成感に説明はいらない。
みんな感極まる瞬間。
チーム6人で抱き合う!
見守ってきたアシスタントさんたち
ナイスアシスト!おつかれさまでした!
4日間戦ったシューズ。
穴だらけの衣服。
補強のあとが。
チーム同志で讃え合う!
そして、アドベンチャーレース界の重鎮 池田選手率いる「KOKOPELLI」
ゴール!
こちらもチームで喜びを分かち合う!
そしてNo.7「UNITE-X」
ゴール後すぐに感謝を伝える先は、アシスタントスタッフ!
素晴らしい戦いでした。
そしてゴール直前で具合が悪くなり、
念のため病院へ行ったメンバーのゼッケンとヘルメットを携えて、
No.4「とれとれ東龍門」がゴール!
その他の全チームも、
1チーム、また1チームと戻ってきました。
撮影しきれなくてすいません!
やはり手がパンパンに。
日本史上最長のレースの幕が閉じる
日本史上最長のアドベンチャーレース
「X-Adventure」(クロスアドベンチャー)
トレッキング80km、マウンテンバイク110km、ラフティング63km、キャニオニング8km(中止)
総距離261キロ。
関わる全ての方が、それぞれの立ち位置で本気で向き合った4日間!
総距離261kmという数字の単位は確かにあるが、
その数字では表現できないほどの、
”大きな価値”がこのレースにはあった。
仲間との支え合いと、チームの大切さ、
通常生活では知り得ない自然の厳しさ、
困難に立ち向かうタフな精神力、
生きて行く上で最も重要な要素を、
まさに体感できるレースでした。
取材する上でも、
この上なく難しかった!
でも、なにより、
この経験の中から学べる事の多さと、その大きさは計り知れません!
これから先、どんなにつらいことがあっても、
こんなにつらいことはあるのでしょうか?
無いと思います!
だからこそ、何にでも通用する、
何にでも打ち勝てる成功体験となる”アドベンチャーレース”
1人での喜びよりも、
仲間との喜びの方が何百倍も素晴らしいことを教えてくれる”アドベンチャーレース”
4日間完全密着をしてみて、
ただ過酷なだけではないレースの裏側を見る事ができました。
まさに長野県で起こっているアウトドアの最前線を、
こうしてみなさんにお伝えする事ができました!
この「X-Adventure」(クロスアドベンチャー)は、
また2年後開催されます。
そのときまたきっとこの選手たちと会えるでしょう!
さらに僕も大きくなって出会いたい!
偉大な経験値をありがとうございました!!
「長野アウトドアレジャーガイド」運営:BLUE CORNER
代表:山岸 惇
【リンク集】
◯「X-Adventure」(クロスアドベンチャー)
◯アドベンチャーレース専門誌「Adventure Race」
◯「カッパCLUB」(群馬みなかみのラフティングなどアウトドアツアー)
◯「カッパCLUB」カメラマン 阿部 加世子さんのFacebookアルバム
◯アドベンチャーレースチーム「EAST WIND」
この記事を書いた人
- 長野県ならどんな過酷な取材でも、どんな時間でもチャレンジ!取材に行きます!自然豊かな長野県の”アウトドアでの遊び”をとことんご紹介!都会では体験できない魅力を発信します!
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